ご家族の手による働きかけ

合理的な取り組み

 お子さんは日々の生活の中で、養育者に促され励まされて、いろいろなことができるようになっていきます。例えば、「おいでおいで」という声かけで移動の範囲を広げ、「立った、立った」と大喜びされて歩き始めます。コミュニケーションも生活のあらゆる場面でまずは養育者との無数のやりとりを通して育まれます。「家族による働きかけ」は自然で合理的な方法です。

強力な取り組み

 お子さんが最も長い時間を過ごすのは家庭です。お子さんに最も多くの働きかけをしているのは養育者です。生活の場における養育者による働きかけは、動機や機会、時間や回数という面で考えても、非常に強力な療育やリハビリになりえます。

お考えや生活スタイルに沿った取り組み

 今日、親御さんの価値観や家庭のありようは様々です。療育や訓練を積極的に希望する場合でも、お考えや事情には幅があるでしょう。例えば、「できるかぎり徹底して取り組みたい」や「共働きであるが可能な範囲で」、「全体的な発達を目指したい」や「まずコミュニケーションを」など、いろいろなニーズがありえます。「家族による働きかけ」はご家族自身が働きかけのスタイルや内容を決めます。いろいろなニーズに対応できる自由度が高い形です。

喜びと自信を持てる取り組み

 以下の一文は育児休暇を利用してプログラムに取り組んだご家族から頂戴しました。
「1年4ヶ月やってきて、他力本願でなく自分たちの手で子どものプログラムをやってこられたことが本当によかったです。評価を受けることによって、漠然と訓練するのではなく、目標があってそれに向かって1歩ずつ進めてこれたこと、そして子どもの成長を確かな形で見てこれたことは私たちにとっても自信になりました」(卒業時の報告書から)
 主体的な取り組みだからこそ、子育ての喜びと自信を持てるのではないでしょうか。

愛護的な取り組み

 お子さんへの働きかけが愛護的なものであるべきことはいうまでもありません。お子さんの体調や機嫌を気遣ったり、心から励ましたり、なるべく楽しくできる工夫をしたり…。これについては養育者以上の適任者はいないでしょう。

欠点?

 強度を持つ療育やリハビリは親御さんが障害を受容するのを遅らせるという批判があるかもしれません。当室はこの問題について真剣に考えてきました。当室のシステムをご検討ください。最初に詳しい説明をすること、プログラム指導の場合も半年ごとの更新であること、安心して「卒業」できることなど、この問題に関する十分な配慮を心がけています。
 お子さんに障害があるとわかったとき他人から「受容することが大切です」といわれて納得する親はいないでしょう。合理的であることや愛護的であることを前提として、「一歩でも発達や回復を進める」という選択肢があってよいと思います。