傾斜板のプログラム1

動くことを楽しむ

傾斜板はお子さんを最大の敵である重力から解放します。この特殊な環境を利用し、お子さんは生まれて(事故後)初めて自分の力で移動することを経験します。この初めての経験が成功するように十分な準備と配慮をお願いします。

プログラムの目的

最初の目的はお子さんが動くことに成功することです。移動運動にとって最も大切なことは、お子さんの「前へ進もう」という意欲だからです。

<解説>
 これは決して精神論ではありません。視覚障害児の研究で歩行の条件を取捨したところ最後に残ったのはリーチングでした。「世界をつかもうと手を伸ばすこと」が移動運動の根幹なのです。したがって傾斜板においても何かに手を伸ばしてゴールするという形を工夫してください。

傾斜板の製作

まず「傾斜板の製作」にしたがって傾斜板を製作します。今後お子さんが長い時間を過ごす重要な「環境」です。誤解のないように、疑問点を残さないように、何度でも相談してください。

傾斜板の角度

お子さんが手足や体を動かせば、前へ進む角度に設定します。角度の決定には試行錯誤が必要です。その日によって角度を変える必要があるかもしれません(注)。
(注)湿度が高い日は滑りが悪くなります。

前へ進むことを強化

ご家族はお子さんが前へ進むことを強化してください。どんなフォームでもかまいません。わずかな距離でもかまいません。前へ進むこと、つまり、お子さんが手足や体を動かすことを強化します。

服装について

傾斜板の上では滑りのよい(引っ掛かりのない)服装であるべきです。また、運動しやすい軽快な服装(薄着)を心掛けてください。お子さんにとって厚着は「鎧」をつけるようなものです。このレベルでは、呼吸が弱く、体温調節がうまくできないために、風邪をひきやすい子が多いですから、部屋の温度・湿度に十分配慮してください。

その他の注意

○お子さんには機嫌のよいときや手足を比較的活発に動かす時間帯があることが考えられます。傾斜板に乗せるのはそういう時間をねらうべきでしょう。
○熱心さのあまり状況が見えなくなってしまうことがあります。傾斜板上で、擦り傷や打ち身など、痛い思いをさせないように注意してください。